【閑話休題】
[記事配信時刻:2016-03-11 17:46:00]
【閑話休題】第409回・神はサイコロを振らない
▼「重力波」という言葉が、最近にわかに脚光を浴びている。アメリカの重力波検出器「LIGO」によって、歴史上初めて、「重力波」の存在を立証してみせたのだ。ノーベル賞級の「発見」だという。
▼ところが、わたしにはさっぱりである。なんのことやら。ネット上でも、宇宙戦艦ヤマトの「波動砲」みたいなもんか、といった話も多い。
▼実はこの「重力波」、百年前に、アインシュタインがその存在を予言していたのだ。これまで観測が難しいとされてきた。それが、「発見」されたというのだ。
▼「重力波」とは、質量を持つ物体が動いた時に、周囲の時間や空間が歪み、波のように伝わる現象のことだ。わたしには重量、質量がある。わたしが歩けば、その「重力波」が発生する。ただ、小さすぎて、観測できるような代物ではないだけだ。
▼今回、「LIGO」によって直接観測されたのは、「地球から13億光年離れたふたつのブラックホールが合体した時に放出された重力波」である。
▼またここでわからなくなる。「光年」というのは、どのくらいのものなのか? 1光年は、1年(365.25日 = 31 557 600秒)の間に通過する長さである。 真空中の1光年は正確に 9,460,730,472,580,800 m である。9.461兆kmということだ。
▼このブラックホールはそれぞれ、太陽の質量の36倍と29倍である。それが衝突・合体し、さらに巨大な62倍のブラックホールができた。しかし、これでも地球に伝わった「重力波」による時空の歪みは、地球から太陽の距離(約1億5000万 km)の間が、原子1個分変化する程度だったという。つまりは、想像を絶する規模の現象が観測されても、とんでもなく微細な反応しかないのだ。
▼この反応を発見するために、世界中の研究機関が巨額の資金を投じて必死になっていたのだから、今回の成果は学術的には狂喜乱舞するものに違いない。
▼正直言って、今すぐ我々の生活に役立つことではない。だが「重力波」の観測成功で「時間や空間の伸び縮み」が実証されたわけだから、今後の天文学の発展には革命的なインパクトなのだろう。
▼アインシュタインが1916年に発表した時空・空間に関する理論、「一般相対性理論」でこれまで予言した項目はすべて直接検証された。たとえば、以下のような仮説だ。
・重力レンズ効果
・重力による赤方偏移
・水星の近日点移動
・時間の遅れ
▼ところが、ただ一つ「重力波」だけは直接検証されなかったため、「アインシュタイン最後の謎」ともいわれていたのである。しかし、それもついに証明された。アインシュタインの予言は、発表から奇しくも100年後に成就したことになる。
▼ところが、である。この「重力波」以外に、アインシュタインが人類に残した恐るべき終末予言というものも実はあるのだ。
▼アインシュタインの恐るべき予言とは、言わば「終末予言」である。この終末予言は、イスラエルの聖都エルサレムにある「写本館」にひっそりと収められているという。
▼この「写本館」には、「死海文書」などの古代の預言や聖書の古い写しなどを収められている。そして、ユダヤ出身の偉人たちの原稿なども収められているのだ。ここに、ユダヤ人である「アインシュタインの恐るべき予言」が展示されているらしい。
▼アインシュタインの恐るべき予言はこうだ。
「第三次世界大戦がどのように戦うのか私にはわからない。だが、第四次世界大戦では、人類が石とこん棒で戦うであろう」
▼この文章を文字通り読めば、「第三次世界大戦で世界が荒廃したため、石とこん棒ぐらいしか武器がない」ということとになる。
▼だが、天才アインシュタインは、一般相対性理論のアインシュタイン方程式のように、時間と空間と宇宙の謎を、なんとたった一行の数式で証明した男である。この予言はもっと深読みする必要があるかもしれない。
▼アインシュタインは、「第三次世界大戦」と「第四次世界対戦」が起こることを前提に、この予言を書いている。つまり、人類はこれから「世界大戦」に必ず見舞われるということだ。
▼「第三次世界大戦」においては、何らかの最先端の武器を使って激しい戦闘が行われる。それは、文明を滅ぼし地球を荒廃されるほど効果を持つ。
▼その後、人類は不思議なことに戦後復興に力を入れないのだ。ここが謎である。石とこん棒という原始的な方法で「第四次世界大戦」に突入してしまうという予言になっている。
▼考えようによっては、「第三次世界大戦」によってほとんどの人類は死に絶え、かろうじて生き残った人類も、撒き散らされた放射能や毒物に侵されて、まさにバイオハザード、化物のような姿になる。
▼おそらく人類は、精神も肉体も蝕まれ、文明を立て直す以前の問題になっているのかもしれない。
▼かつて、アインシュタインが、ハイゼンベルグやボーアと凄まじい論争をしたことがある。いわゆる「不確定性原理」を巡る論争である。「物質の運動エネルギーと位置は同時に確定できない、物質の状態は確率でしかわからない」、という主張だ。
▼アインシュタインは、これに反論して確定できるとといったわけだ。曰く、「決まっているのだ。しかし、人間にわからないだけのことだ。確率だって? 神はサイコロなど振らない」と。
▼今回の重力波の測定成功という、アインシュタインの驚くべき仮説の的中。そして、「確率などはない。決まっていることなのだ」、という言葉。となると、アインシュタイン、最後のミステリーである「終末予言」は、必ず起こるということだろうか。
増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄
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