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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第444回・虎の尾を踏むか〜トランプvs連銀

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【閑話休題】第444回・虎の尾を踏むか〜トランプvs連銀

【閑話休題】

[記事配信時刻:2016-11-11 15:56:00]

【閑話休題】第444回・虎の尾を踏むか~トランプvs連銀

▼著名投資家のウォーレン・バフェットが、まだ今回の大統領選挙戦中盤の段階で、トランプ候補をこう面罵した。

「きみには一体、品位というものは無いのかね。」

そのトランプ氏が大統領に当選した。

▼選挙戦中のトランプ氏の放言暴言に、メディアはずっと振り回された。というより、メディアは視聴率を上げるために、むしろ材料にし、バラエティー化させてしまった嫌いが大きい。

▼確かに、不穏当な発言は多いものの、しかしそれは「ロッカールーム」で普通に話されるアメリカ人の本音であろう。これを鬼の首でも取ったように、ことさらトランプ候補の足を引っ張った知識人やメディアの罪は大きい。

▼金融市場の機関投資家も、一様に「トランプ大統領なら、大変なことになる」という妄言を述べていたのも、正直わたしなどには、頭でっかちな種類の人間のきわめて偏向的な評価だとしか思えない。

▼ヒラリー候補とトランプ候補がそれぞれ掲げていた政策公約を一つ一つ比較してみれば、誰がどう見ても、トランプシナリオのほうが米国の金融・経済にとって遥かに好ましい内容であることは、当たり前の話だった。

▼金融市場は、トランプという人物の品格を以て、ただ忌避し、ヒラリー大統領誕生を自然な流れとみなしていたために、にわかに番狂わせになってきて、一時的に混乱をしただけで、要するに金融市場の(というより非アメリカ市場の)勝手な一人芝居に終わったということだ。

▼さて、そのトランプ大統領だが、政策に関してはその保護主義的スタンスから、関税引き上げが警戒されるが、これは事態を推移していくしかない。ただ、これも、これまでの言説「アメリカ第一主義」という言葉に引きずられた話で、最高のブレーンをそろえるはずであるから、非現実的な関税引き上げなどはしないと思う。

▼そもそも「アメリカ第一主義」は共和党のイデオロギーである。民主党と共和党の違いについては、閑話休題・第23回「アメリカにハトはいない」で書いた通りだ。民主党も共和党も、骨の髄から米国資本主義のエゴイズムそのものだが、民主党は国連を巻き込む大義を重視するから、よけいな戦争になりがちだ。が、共和党は無駄な戦争はしないし、やっても超短期でケリをつける。

▼それは、共和党のほうが遥かに米国経済成長路線を重視したイデオロギーを持っているからだ。儲かる戦争ならやるが、長期化して経済が疲弊するようなことは避ける、それが共和党だ。

▼だから、「トランプ大統領になると、核戦争が始まる」といったような妄言が、ちまたに流布してしまったのは、完全に誤解である。メディアのミスリードのはなはだしい例であろう。

▼さて、トランプ政権でわたしが一番気になっているのは、米国連銀との関係である。政府機関でもない民間金融機関でありながら、事実上金融政策を一手に握っている。この恐るべき「闇の政権」については、たとえば閑話休題・第395-398回「彼の名はベラスコ」シリーズで、克明に解説した通りだ。概略は第53回「影の政府」にまとめてある。

▼つまり、連銀を敵にしてはいけないのである。バックがユダヤだということは明らかだが、これに歯向かうと、ケネディのように消されてしまう。

▼この連銀という、民間銀行(12行の集団指導体制)が金融政策を牛耳り、1913年の設立以降一度も外部監査を受けていない唯一の組織なのである。その連銀の監査を実施することを公約としたのが、トランプ氏なのだ。

▼連銀がいったいどのくらいの金を保有しているのか、というたった一つのことでさえ、明らかになっていないのだ。公称8000トンとされているが、誰も信じていない。連邦議会では、過去二度にわたってこの点が問いただされたが、連銀は判で押したように「8000トン」を繰り返すだけだった。

▼その株主がだれかということですら、ユースタス・マリンズが30年以上も前にほぼ全員がユダヤであるという事実を暴露したのが最後で、一切知られていない。

▼日本銀行は上場銘柄だが、その60%は財務省、つまり国家が保持している。従い、明らかに公的機関と呼んで構わない。しかし、残りの40%の株主は誰なのか、という点については明らかにされていない。非公開なのだ。

▼少なくとも、その一部は連銀が保有していることはかなり確実である。連銀が保有していない世界各国の中央銀行の株は、アフガン、スーダン、北朝鮮、キューバなど、数えるほどしかない。ほぼ全世界の中央銀行の株主が、連銀だという事実は知っておくべきだ。

▼日銀株の4割のうち、かなりの部分が連銀と、ユダヤ資本が保有しているということも、ほぼ確実である。

▼この連銀に、メスを入れようとしているように見えるのが、トランプ氏なのである。それが先述の、連銀監視・管理体制の創設である。

▼これまで共和党のロン・ポール下院議員と息子のランド・ポール上院議員は合わせて19年間、連銀の会計監査と組織の解体を追求してきた。国民の間では連銀の外部監査による透明化を求める支持は高いが、2015年に提出された法案は議会では可決されなかった。

▼トランプ氏は経済バブルの発生と崩壊は連銀によるものであり、国家安全保障に関わる防衛省でさえ外部監査が行われていると指摘。全ての民間企業でさえ外部監査が行われるのに対して、連銀だけが例外であることを問題としている。連銀の存在と必要性に関しても否定的である。

▼これだけ、連銀を「目の敵」にしているような大統領は、先のシナリオは二つしかない。一つは、殺されるか。もう一つは、実はそう表面的には何らかの事情でそう言っておきながら、裏ではがっちり連銀のバック(ユダヤ)とつながっているか。どちらかである。

▼監査を実施すれば、あらゆる情報の提出が義務付けられる。つまり、これまで連銀がひた隠しにしてきた市場操作、為替操作、不正の融資、各国中央銀行との密約、不良債権処理、秘匿されてきた株主、各国中銀への支配力など公表されては困る情報が公開されることになる。

▼例えば、2011年にドッド・フランク法で政府機関の監査を行う会計監査院は、限定的な監査を行った際、2008~2010年の間に連銀は機密で限定された金融機関に16.1兆ドルの救済資金を提供していたことが判明された。これは米国経済の GNP15兆ドルを上回る額である。それに加えて、約3兆ドルは海外、主に欧州とアジアの金融機関に救済資金として提供されたことも明らかとなった。

▼つまり、サブプライム・バブルを引き起こした銀行は全て裏で救済を受けたのである。限定的な監査調査とは言え、監査がなければ判明しなかった事実である。 ところが、ここに面白い事実がある。単純に、トランプ氏が、連銀を「目の敵」にしているのではない、という側面がうかがわれるのだ。それは、このトランプ氏が、フランク・ドット法の即時廃止を主張しているのである。

▼当然この金融規制緩和で、投機商品へ資金を入れることを制限されていた金融機関にとっては、願ってもない朗報である。大量の資金が、リスク商品に流れ込んでいく可能性が高い。

▼また、HomelandInvestmentAct2(本国投資法)を提唱していることから、2005年に時限立法で行った第一弾の二発目である。当時法人減税を餌に、海外資金を米国に還流させて、この間ドル高13%となった。

▼この第二弾を行うとして、当時の規模の6倍の資金が米国に還流してくるということであるから、ドル高の威力はともかくとして、ポイントはこの還流資金が米国での製造業や雇用を増やすだけでなく、当然不動産投資に回ってくるということだ。

▼要するに、不動産である。トランプの本業ではないか。つまり不動産をバブルの象徴とすれば、バブルをつくるために誕生したのがトランプ大統領ともいえるかもしれない。

▼それはともかく、先述のドット・フランク法の撤廃を目指すトランプ政権というものは、ユダヤが牛耳るウォール街を喜ばせる一方で、連銀を監督すると言い放っていることになるわけで、これは、矛盾ではないか。ということは、もしかすると、フランク・ドット法を廃止するのが目的で、連銀には監査をするという話は、問題をそらすためのダミー的な「与太話」なのかもしれない。

▼トランプという人物の家系はドイツ移民(ラインラント出身)らしいが、祖父がクー・クラックス・クラン(黒人排撃をする違法組織)のメンバーだったというくらいであるから、ユダヤとの血縁的な関係性はなさそうだ。純粋にコーカソイド(白人種)優越主義者ということなのだろう。

▼とすると、いったい、ユダヤとはどういう関係であろうか。これまで米国の実業界でのし上がってきた実績からすれば、ユダヤとうまくやっていなかったとは、到底考えられない。

▼トランプ氏は、メキシコ人を始めとするヒスパニック系アメリカ人に対しては、毒舌を吐くものの、イスラエルのネタニアフ首相に対しては絶賛の言葉しか口にしない。

「私はイスラエルを愛している。私はイスラエルのために100パーセント否、1000パーセント戦うつもりだ。しかも永遠にだ ! 」

2013年、トランプ氏は選挙を控えるネタニアフ首相のためにビデオ・メッセージまで作って支援していた。

▼こうしてみると、トランプは少なくともユダヤに対して対抗的ではない。どころか、一見すると親ユダヤに見える。実は、トランプ氏が親イスラエルになったのには他にも理由がある。実は、愛娘のイヴァンカ(補佐官などに起用されることが取沙汰されている)がユダヤ人のジャード・クシュナー(ナチス迫害~ホロコーストからの難民一族出身で、相当のキレ者にして、実業で大成功した青年である。)と結婚している。イバンカは、それがキッカケでユダヤ教に改宗しているという事実がある。

▼ここに、トランプ氏とユダヤとの接点があるようだ。選挙戦中も、陰に陽にこのクシュナー氏は、トランプ候補のそばにぴったり寄り添っていたことが確認されている。

▼果たして、トランプ大統領は、連銀の虎の尾を踏むことになるのか。それとも、実は一蓮托生なのか。大変見ものである。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄






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