【閑話休題】
[記事配信時刻:2017-09-29 16:07:00]
【閑話休題】第489回・ヒトラーは生きていた
▼不思議でも何でもないのである。ヒトラーが生きていたとしても、驚くにはあたらない。なぜなら、死体が無いのだ。
▼1945年4月30日、総統官邸地下壕で拳銃による自殺をしたはずだ。(側近、秘書や警備兵たちの証言はいずれも曖昧である)、服毒自殺をした愛人のエヴァ・ブラウンとともに、140リットルのガソリンで焼却されたということになっている。
▼総統官邸に突入したソ連軍は、ヒトラーを捜索し、死体を発見した。ひどく損壊した二人の死体なのだが、そのときの頭蓋骨(頭頂に銃弾の穴があいている)はずっとソ連で保管されていた。
▼スターリンは、遺体確認作業の秘密厳守を徹底した。ゲッペルスやヒムラー、ゲーリングといったナチス指導者たちの死体は写真公開されたにもかかわらず、ヒトラーだけはいまだになされていない。
▼アドルフ・ヒトラーの遺体は、エルベ川へ散骨されているが、これらの事実が明らかになったのは、冷戦終結後の1992年、ソ連KGBとロシアFSBに保管されていた記録がオープンにされてからのことだ。ずっと、これらの事実はソ連で秘匿されていたのである。
▼また、間違いなくスターリンは、死ぬまでヒトラーは生きいると信じ、その捜索を命じ続けていた。
▼くだんの頭蓋骨だが、ずっとソ連は非公開にしていたが、崩壊後、ようやく21世に入って西側の調査を受け入れるようになった。2009年に米コネチカット大学で行われた遺伝子鑑定の結果、ヒトラーとされた頭蓋骨は、ヒトラー本人のものではなく、20~40歳の女性のものだったことが判明。これで、最後の物証が消えたことになる。
▼こうしたことは、スターリンが、ヒトラーの死体発見以降、死ぬまでずっと、それを疑っていたことをうかがわせる。
▼ヒトラーがユダヤ系の血を引いていることも、かねてから指摘されきたことだ。彼の曾祖母がウィーンのロスチャイルド家に奉公していた時期があり、ちょうど当主のロスチャイルドは夫婦別居中であった。曾祖母はそこで妊娠し、奉公をやめて家に戻っている。
▼ヒトラーのロスチャイルド末裔説は、立証されているわけではないから、いわゆる「トンデモ説」として従来片づけられ来た。
▼ところが、ヒトラーの親族(といっても直系はいないので、従兄弟・従姉妹たちの家系)の多くが、現在イスラエルに在住しているという事実がある。
▼実際、これらの親族39人の唾液サンプルから採られたDNA検査では、ユダヤ説が裏付けられている。
▼こうした事実をただ淡々と並べていくと、ヒトラーは生きていたのではないか、という疑惑が当然のように浮上してくる。
▼ドイツ敗戦前後、少なくとも3万人以上のナチス党員が南米、とくにブラジル、アルゼンチン、パラグアイなどに逃亡したことは間違いない。ユダヤ人絶滅収容所に深く関係していたアイヒマンもその一人だった。
▼そのアイヒマンは、イスラエルの諜報機関モサドの執念の捜索で、1960年にアルゼンチンで身柄拘束され、アルゼンチンの承認の無いままイスラエルに連行された。裁判にかけられ、絞首刑となった。(アルゼンチンとイスラエルはこの時点で、激しく衝突している)
▼問題なのは、アイヒマンが裁判における証言で、「ヒトラーはエヴァ・ブラウンとアルゼンチンに逃亡し、存命である」と述べていることだ。不思議なことに、この言質が歴史上、重く見られることがまったく無い。
▼表向きは、「妄言」ということで片づけているように見えるが、裏は「出来レース」なのではないか、とも考えられる。
▼南米は、第二次大戦直後、どこもかしこも軍事独裁国家であったから、いずれもナチスには非常に親和感が強く、また敗戦に同情もしていた。ナチス残党の逃亡先としてはもってこいの場所だったのである。
▼問題は、一体どうやって敗戦に突き進む大混乱のドイツからかれらが逃亡したのか。その資金はどこから出ていたのか、ということだ。3万人以上である。その後の支度金などあわせれば、膨大なものになるはずだ。
▼戦後、さまざまな民間研究者やジャーナリストたちが調べ上げてきた結果、このナチス残党の逃亡を助けた経路には、ことごとくカトリック教会の影がちらついていることがわかっている。
▼ナチス党員が、南ドイツからスイス国境を抜けてイタリア入りし、ジェノヴァから南米に逃亡したというのが、もっとも多くの残党の採ったルートらしいが、その途上、いくつものカトリック教会があり、当時、偽名をつかったナチス党員(現在、その実名はみな判明している)を途上で助けた神父たちがいる。メディアはこれを追跡調査するも、ことごとく教会の壁にはばまれ、当時の神父たちに接触することができないのだ。
▼ヒトラーが、一体どのルートでドイツを脱出したのかはもちろん不明である。一説には飛行機で逃亡したという説。これはヒトラーを登場させたという、女性パイロット(ナチス党員である)の証言が根拠となっている。
▼あるいは、この閑話休題の「彼の名はベラスコ」でも書いたように、べラスコ証言では、Uボートで逃亡したというものもある。アイヒマンも確か、Uボートで逃亡したのだ。確かに、べラスコも戦後、アイヒマンが訪れてきて、その逃亡を助けたと述べているが、そのときアイヒマンから「ヒトラーは、エヴァといっしょにUボートでアルゼンチンに逃亡している」と聞かされていた。
▼いずれにしろ、途上でカトリック教会が絶大な力を発揮してナチス残党を、同じカトリック教国ばかりがそろっている南米に逃がしたというのは、筋の通る話だ。なにより、戦後というのは、西側では反共の嵐が吹きすさんだ時期であり、カトリックは反共の最後の牙城であっただけに、この挙動は理解できるものがある。なんといってもナチスは、反共の権化だったからだ。
▼ユダヤにしろ、ナチスにしろ、一体何がどうなっているのか、あまりにも複雑怪奇すぎて、国際金融資本のことはさっぱりわからないというのが本音だ。一体かれらは敵だったのか、じつは味方だったのか、皆目見当がつかない。
▼アメリカの大統領からして、ユダヤの血を引く者ばかりだ。ブッシュ親子は、ずっとさかのぼればチェコ系のユダヤ人に行き着く。ブッシュ家は、それこそナチスの海外資産の管理運用をしていた在米銀行をマネージしていたことは事実だ。
▼ルーズベルト(二人とも)大統領は、ユダヤ系だ。アイゼンハワー大統領も、ウェストポイント卒業アルバムにはっきりスウェーデン系ユダヤ人と書いてある。
▼クリントン大統領もユダヤだと言われているが、夫人のヒラリーも先祖はオランダに行き着く。ミドルネームがローゼンバーグである。ユダヤ以外の何ものでもなかろう。
▼オバマ大統領ですら、母親はユダヤ人である。アメリカの大統領というのは、一見ユダヤ人に見えない、がしかし本当は隠れユダヤ人であるということが、どうも要件なのではないかとすら思える。
▼リンカーン大統領ですら、ユダヤ人説が尽きないくらいだ。名前が、エイブラハムだからだ。ただ、非ユダヤ人のプロテスタントでも、非常に信仰が強い家なら、エイブラハムという名をつけないともないだろうから、このへんは疑問が残る。
▼もっとも、0.1%の血が入っていても、ユダヤ人にしてみれば、「ユダヤ人である」ということになるので、果たしてどこまでをユダヤ人と言うべきなのかもはっきりしないといえば、しない。そもそも、ユダヤ人の血が入っていなくても、ユダヤ教徒ならユダヤ人とみなされてしまう。
▼一体何が裏で動いているのか、非常に不可解な事例がある。ボルマンの遺体だ。ボルマンというのは、ヒトラー自殺後、総統職を継承し、連合国に降伏をした人物だ。
▼このボルマンも、当然ながら連合国も、ソ連も、またイスラエルのモサドも血眼になって捜索したが、終戦直後にベルリンから逃亡してまったく行方がわからなくなっている。
▼アイヒマンによれば、ボルマンもアルゼンチンに逃亡したということだ。このボルマンは、ベルリン脱出の際、ソ連軍と遭遇して機銃掃射で死亡したということになっている。そうした記録がある。ところが、連合軍はその場所の捜索をしても、ボルマンの遺体は発見できなかったのである。やはり、死体は無い。
▼ところがである。ボルマンが偽造パスポートをつくって、ドイツから逃亡したという証拠もいろいろ物証として出てきているのだ。アルゼンチンで80年代だと思うが(不確かである)、死亡している。
▼その後に事件が起こった。近年ベルリンの再開発である一帯が、掘り起こされた。すると、白骨遺体が出てきたのである。場所は、まさに終戦直後、ボルマンが機銃掃射で殺されたといわれる地点そのものなのだ。
▼ボルマンはアルゼンチンで死んだのではないのか。そこであるメディアがアルゼンチンの、ボルマンの墓(偽名の墓)を調査したところ、遺体はなにもなかったのである。
▼そして、ベルリンで発見された白骨死体に付着していた土砂は、ボルマンの墓とされる場所の土壌と一致していたのだ。
▼つまり、白骨死体は本物のボルマンだった可能性がある。そして、なぜ、誰が、わざわざその本物のボルマンの白骨遺体を、射殺されたとされるベルリンに再び埋め戻したのか、ということだ。一体、なんのために?
▼あたかもボルマンは、言われている通り、ソ連軍に射殺されて、その場所で死んでいた。そして、連合軍は遺体を発見できなかっただけのことだ、と言わんばかりの「工作」としか思えない。だから、ヒトラーも地下壕で死んだのだ。その遺体処理後、連合軍もソ連軍も見つけることができなかっただけだ、と言う意味だろうか。
▼さて、本題のヒトラーだが、アドルフ・ライプツィヒという老人になりすまし、1984年までブラジルで生きていたということだ。ボリビア国境の小さな町で95歳まで生きていたということになる。
▼ヒトラー生存説には、ほかにもいろいろある。たとえば、エヴァ・ブラウンとパタゴニア(アルゼンチン・チリ国境)に逃れ、62年に73歳で死ぬまでに2人の娘をもうけたと主張している説だ。
▼本当のことはわからない。ただ、3万人のナチス残党が逃亡したということは事実であるから、ヒトラーが生存していたとしても、なにも不思議ではない。ましてや、彼がユダヤ系であったということが事実だとして、さらにバックにバチカンが控えていたとなれば、この世界にできないことなど何も無いではないか。
▼スターリンが、死ぬまでヒトラーの亡霊に悩まされていたという話は、あながちでたらめでもないのかもしれない。亡霊ではなく、生き伸びたヒトラーによる復讐を恐れていたのかもしれない。
増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄
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