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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第100回・星に願いを

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【閑話休題】第100回・星に願いを

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-07-25 19:00:00]

【閑話休題】第100回・星に願いを



▼考えてみれば天空の星というのは、それぞれが地球から千差万別の距離にある。一見すると、平面的に星が散らばって見えるが、星座といっても、それぞれはまったく関係のない「系(グループ)」に属している。勝手にわれわれが、蠍(さそり)座、魚座といったように一くくりにしているだけのことだ。無関係な星同士にしてみれば、迷惑な話かもしれない。

▼大きく見える星や小さく見える星も、実はその大きさが逆かもしれないのだ。これは地球からの距離がとてつもなく異なっているため、星の輝きの大きさが実体を正しく映し出せないためだ。

「あんなちっちゃいの消えたってわかんないわよね」
「見える星は一等星から六等星まである。一等星はあのでかい星だ。六等星はほとんど見えないくらいかすかな星のことだ。だが小さく見えるけど、あれは遠くにあるからだよ。実際は一等星よりもっと何十倍も大きな星かもしれないんだ。世の中には六等星みたいな人がいくらでもいる。」 (手塚治虫 『ブラックジャック』から)

▼地球と双子の星とよばれる惑星は「金星」だ。地球に最も近づく惑星でもあり、その大きさ(直径が地球の95%)や質量(地球の80%)が地球に近いためだ。金星の姿は、肉眼でも明け方と夕方に確認することができる。日本では「明けの明星」、「宵の明星」として古くから親しまれてきた。

▼金星が明け方や夕方しか見ることができないのには理由がある。金星が地球よりも内側にある内惑星であるためだ。金星は人類が最も早く探査機を送り込んだ惑星であり、またこれまでに最も多くの探査機を送り込まれた惑星でもある。かつてはその位置や大きさから、地球と似た環境が広がっているのではないかと考えられていた。しかし、探査が進むに連れて、そのイメージは一変。

▼気温は400℃を越え、大気はおもに二酸化炭素で構成され、硫酸の雲も存在している。大気中から検出できる水はわずかで、海はなく、灼熱地獄が広がる。また、大気層では「スーパーローテーション」と呼ばれる秒速100メートルの風が吹き荒れる。なぜなのかは、いまだに謎だ。

▼もう一つ、われわれ地球人にとって、方位を知るときの基準となる北極星も、これまた古来から身近な存在だった。ところが、この北極星、地球自転軸(地軸)の延長線上で夜空の中心として輝く星のことを言う。「北極星」という、一つの決まった星があるわけではないのだ。具体的に言えば、北極星といっても、今と昔ではまったく別の星なのだ。

▼北極星が動かないのは地軸の延長線上にあるためだが、その地軸が非常に長い周期でズレを起こす。だからそのズレた地軸延長線上にある星が「北極星」になる。ちなみに現在、北極星と呼ばれているのは『仔熊座アルファ星』である。しかし、約5千年前(古代エジプトの頃)では『龍座ツバン星』だった。逆に、今から1万2千年後には『琴座ベガ星』が北極星となる見込み。そう、あの「織姫星」が北極星になるのだ。

▼養老孟司氏は、自著『バカの壁』の中で、人工的なものに囲まれた生活を送っている私たちは、一日に一度は「非人工的なもの」を見るようにしよう、と書いていたと思う。歩いていても下ばかり見がちな私たちだが、仕事先からの帰途、ふと見上げればそこに月や星がある。これらは一番、私たちにとって身近でありながら、距離の遠い非人工物だろう。

▼子供というのは、星を手に取ってみたいと思うらしい。それが、手に入れられないものだと分かったときから、大人への一歩を踏み出していくのだそうだ。しかし、大人になっても、いくつになっても、このかなわない望みを星に託して、人間は夢に近づこうとする。

▼誰でも一度は聴いたことがある、ディズニーの名曲に『When You Wish Upon a Star(星に願いを)』というのがある。

星に願いを懸けるとき
誰でも心を込めて望むなら
きっと願いは叶うでしょう

心の底から夢みているのなら
夢追人がするように 星に願いを懸けるなら
叶わぬ願いなどないのです

星に願いを懸けるなら
運命は思いがけなくやって来て
いつも必ず夢を叶えてくれるでしょう

★3月からスタートした『閑話休題』も、今号で連載百回目と相成りました。なんでも続けていくうちに新しい世界が開けてくるものと信じて、これからも微力ながら精進いたします。会員の皆様には、これまでお読みいただいたことについて心から感謝致しますとともに、この先、皆様の身の上に幸せな星の巡りが訪れますよう、ささやかながらお祈り申し上げます。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄




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