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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第134回・強運の安倍一族

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【閑話休題】第134回・強運の安倍一族

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-09-11 17:45:00]

【閑話休題】第134回・強運の安倍一族



▼正直、オリンピック招致で、決戦投票間際にスペインが失速したのは意外だった。9月8日5時20分(日本時間)、東京がトルコを制して開催地を獲得したことは、日本にとっては、またとない僥倖であったと改めて思う。

▼当日、安倍晋三首相はIOC総会で反撃の最終プレゼンテーションに挑んだ。議論噴出の中、皇室まで担ぎ出してのプレゼンテーションは、表向きの努力とは違い、生臭い匂いがつきまとう。日本にとって、フランス票・ロシア票が、どういう風に有利に動いたかを考えると、オリンピックはやはり政争の具だと言える。

▼フランスが、2024年になんとしても100年ぶりのオリンピック招致を狙いたいたいとすれば、スペイン支持から脱落した可能性がある。トルコもヨーロッパ圏と考えれば、これが東京に流れたということは十分推測される。経済面でも、ヨーロッパ全体のプラス成長を軌道に乗せていくには、ユーロ債が堅調でなければ話にならない。日本の外債投資がちらつくという、そうした政治的圧力がIOCになかったといえば、嘘になるだろう。

▼ロシアも、国内経済が低迷状況を打開できない中、日本の利用価値を活用するためには、ネックとなっている北方領土問題を棚上げする必要があった。ここで、東京に票を振り向けるのが得策ではないかと踏んだとしても、何ら不思議ではない。

▼アメリカは、言うまでもなく日本のデフレ脱却がなんとしても必要だ。金融政策を、低金利状態のそれから通常の政策へ転換しようとしているアメリカとしては、次第に国債などの買い入れを減少させることになる。その肩代わりを日本に頼んでいるわけだ。日本がそれを引き受けるためには、アメリカとしても、日本のデフレ脱却を支援する必要がある。

▼どの国が、どのような思惑で票を使ったのか、もちろん知る由もない。だが、いずれにしろ日本は、汚染水問題がネックになっていたにもかかわらず、幸運な結果を得た。実は、今回の2020年オリンピック招致では、いくつか日本に有利となるジンクスがそろっていた、という説がある。あくまで結果論であり、またそれが直接、東京に決定することにどれだけ影響したかは定かではないが。

▼そのジンクスとは「安倍一族」「2度目の正直」「戦争」の3つである。「過去との類似点」が指摘されているのだ。戦後、日本が五輪招致を行なったのは、今回を含めて計10回。このうち招致に成功したのは1964年東京、72年札幌、98年長野の3回である。注目すべきは、開催都市を決めるIOC総会が行なわれた年だ。

▼1964年の東京五輪が決まったのは59年で、当時の首相は安倍首相の祖父、岸信介だった。札幌五輪が決まった66年は、岸の実弟で安倍首相の大叔父である佐藤栄作が首相を務めていた。つまり、安倍一族は五輪を引き寄せる強運の持ち主となる。

▼ちなみに、運がなかったのは鳩山一族。60年夏季五輪に東京が立候補したときの首相は鳩山一郎で、2016年夏季五輪の東京招致では孫の鳩山由紀夫が首相。いずれも敗退した。

▼また過去3回、日本で開催された五輪では、ほかにも共通点があると言われる。64年東京、札幌、長野の各五輪は、いずれも2度目の立候補で開催を決めた。今回の夏季五輪に東京が手を挙げたのも、16年夏季五輪に続き2度目。

▼さらに、国際情勢も過去3回の決定時と似ている。64年東京五輪が決まった59年は中印国境紛争が勃発した。札幌五輪が決まった66年は、ベトナム戦争の真っ最中だった。98年冬季五輪開催地に長野が選ばれた91年は、湾岸戦争(第一次イラク戦争)があった。

▼運というものは、いかんともしがたいものがある。しかし、その運を引き寄せる力が働かなければ、運も決してこちらに微笑まない。安倍政権がこのために何をしてきたのか、詳細は分からないが“強運の一族”だけに、千載一遇の「国家的大チャンス」を無駄にしないだけの努力はしてきたに違いない。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄



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