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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第228回/東京が一つの国だったら

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【閑話休題】第228回/東京が一つの国だったら

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-02-04 21:15:00]

【閑話休題】第228回/東京が一つの国だったら

▼本日のコラムは、完全なパクリだ。日経Quickで配信されていたものを、換骨奪胎、紹介しておこうと思う。もともとの配信元は、日本経済研究センターだ。

▼どうも、記事の筆者は鳥取出身らしく、自らの故郷を「田舎」と卑下し、「スターバックスにも見放された」と慨嘆している。しかし、わたし自身も、「銀ブラ」の「ブラ」がブラジルコーヒーのブラだということは、近年知ったくらいだから、恥ずかしい限りだ。(銀座の喫茶店パウリスタでブラジル・コーヒーを飲むという意味から使われ始めたのが最初だとか。)東京に棲んでいる資格など、わたしのほうが無いかもしれない。

▼いろんな、うんちくが描かれていたエセー的な記事で、日銀旧館を上空から見ると「円」に見えるとか、消防庁のビルの高さは119mだといったことも紹介されていた。

▼しかし、この記事で面白かったのは、東京という特異な都市を、いっそのこと一国にしてしまったら、どうだろうか、という話だ。都知事選も近いことだから、こうした「考察」をして、遊んでみた文章だと思うが。

▼なにしろ、東京の人口たるや、その筆者の故郷・鳥取の23倍。実に日本の1割が居住していることになる。もちろん、東京都だけでこの数値であるから、埼玉、千葉、神奈川と、いわゆる「メトロ東京」という概念でいったら、2-3割を占めるはずだ。

▼東京都の人口は、今のところ1300万人。この前後の外国を並べてみると、豪州2300万人、オランダ1700万人、ギリシャ1200万人、ベルギー1100万人、ポルトガル1100万人、スウェーデン1000万人、スイス800万人、香港700万人、デンマーク600万人、ノルウェー500万人だそうである。まさに、一国並みの規模ということになる。

▼頭数だけではない。経済規模も然りだ。2013年度予算は、12兆838億円。これをドル換算すると、スウェーデンの国家予算とほぼ同じだそうだ。しかも、一般会計のプライマリーバランスは10年以上、プラスを維持しているから、凄いものだ。

▼仮に、名目GDPを計算すると、1兆1687億ドルで、都庁のホームページにも、主要国の中で、メキシコ1兆1552億ドルや韓国1兆1162億ドルを上回り、第14位に相当すると描かれている。1ドルを100円で計算しても、9239億ドルで、韓国の次ぐ第16位だという。

▼一人当たりにすると、もっとすごい。一人当たりのGDPは、2012年段階で、4万6537ドルで、OECD加盟国の中で第10位だったそうだ。これを東京都でやってみると、なんと8万9000ドルである。2倍ではないか。ルクセンブルク11万4000ドル、ノルウェー9万9000ドルに続く、なんと、第3位なのだ。これを1ドル100円でやっても、7万ドルだから、スイスの8万3000ドルについで第4位だ。

▼この筆者は、「東京恐るべし。生産性も半端ない。」と述べているが、むべなるかな。そこでこの筆者のエセー記事の真骨頂となってくる。

▼日本のデフレ脱却は、海外にきっかけがあるのではなく、実はこの東京が潜在的に持っているのではないか、というのである。

▼なにしろ、これだけ人口を集める魅力があるのだ。(地方を活性化させていない、というそしりもあるが)ただ、地方にいては仕事ないから、という消極的な理由だけではあるまい、と言う。長期低迷から脱する鍵は、東京にあるのではないか、というのだ。

▼ルクセンブルクは金融センター、ノルウェーは産油国。たかだか60万人足らずのルクセンブルクが、世界ダントツ一位の一人当たりGDPをたたきだすということは、金融センター等と言うのも、一つのパターンかもしれないとのたまう。つまり、東京都のどこかの区をまるごと、金融センターにしてしまえ、というのである。

▼憧れの大東京に、ルクセンブルクのような最強の金融センターがあれば、まさに鬼に金棒かもしれない。

▼他人様のコラムの骨子だが、なかなか劇的な話で面白い。そんな大それたことが、もっともっと生まれてくれば良いと思う。そういう既存の概念や枠組みを、白紙の状態から一気に覆してしまうような発想は、やはり若い世代から生まれてくることが多い。ある意味、楽しみな時代に入ってきているのかもしれない。

増田経済研究所
日刊チャート新聞編集長 松川行雄


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