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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第237回・口癖

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【閑話休題】第237回・口癖

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-02-18 15:14:00]

【閑話休題】第237回・口癖

▼自分で一体どういう話し方をしているのか、というのは、ふだんなかなかわからない。昔録音テープにとって、聞き直してみたところ、あらためて自分の声質や、話しぶりなどに驚いたのを覚えている。

▼まるで、別人である。とてもこれが自分とは思えないというほど、話しているときとイメージが違うのだ。他人から見たときの自分というものは、こうも自分の意識とは異なるものかと、心底驚いた。

▼とくに、嫌だったのがわたし自身の口癖である。「ええ」とか「まあ」とか、余計な部分がやたらに多い。実に耳障りだ。滑舌も悪い。声が低くて、割れているからだ。これを聞いて、話すときには、一段上のトーンで発声するように心がけなくちゃ、なに言ってるかわからん、と思い知った次第。

▼だが、この癖だけはなかなか治らない。日常意識はしているが、どうしても地が出てしまうものだ。さて、自分のことは横に置いて、ひとさまの口癖で、近年不愉快なくらい気になっている例をあげつらい、この場でさらし者してみたい。

▼「ほうほう鳥」、「からから鳥」がよく飛んでいるというのは、よく巷でも指摘されるところだ。コンビニやレストランなどで多く聞かれる鳥の声だ。レジで支払いをするときなど、まず店員にこう告げられる。「お代金のほう、4200円になります。」そこで、5000円札を指しだすと、店員は「はい。では5000円からいただきます。」

▼当初は、なにほどとも思わなかったのだが、どこでも誰でも、この「ほう」と「から」をつけるので、だんだんたまらなくなってきたのだ。「メニューのほうは、こちらになります。」のように、なんでもかんでも「ほう」と「から」がついてくるのだ。

▼「準備のほうはよろしいでしょうか」というのは、「諦めたほうがいいでしょうか」という言葉と、根本的に違う。前者は、「ほう」がつこうがつくまいが、どうでもいいのだ。ところが、後者は明らかに「諦める」ことと「諦めない」こととで、比較選択の問題を問いかけている。

▼なぜ、「を」や「は」を、「ほう」とか「から」に言い換えなければならないのだろうか。これも、日本人特有の「曖昧さ」化現象という気質のなせるわざなのだろうか。それで、相手が特段、受け取りかたがより良くなるわけでもあるまいに。ということは、やはり言うほうに、これらを使う理由があるとしか考えられない。しかし、曖昧化現象というのは、あくまでもその言葉をそのまま言ってしまった場合、「角が立つ」「荒立てる」といった問題を解消するのに使われる。日本人の優れた気遣いの発露だ。が、この「ほうほう鳥」や「からから鳥」にその意識があるとは、とても思えない。

▼そんな人の口癖をあげつらってはいるものの、ごくごくたまにだが、かくいうわたし自身が、この「ほうほう鳥」や「からから鳥」になったりしているときがある。それに気づいたときには、もう首でも吊りたいくらい自己嫌悪に陥る。

▼まだこれなどは良い。もっと苛っとくるのが、これだ。「わたしって、~じゃないですかあ。・・・」という表現。とくに若い女性に多い。男性ではまず聞かない。しかし、男性からこの言葉を聞くと、横にあるゴミ箱でも蹴飛ばしたくなるくらい、不愉快だ。体中に、ジンマシンが出そうになる。

▼「わたしって、けっこうお酒苦手じゃないですかあ。・・・」そんなこと知らん、と思わず言いたくなる。そもそもなんだろうか、あの「わたしってえ」という枕詞は。自分のことなのにいちいち「じゃないですか?」と疑問形で同意を 求めてくるのは自己顕示欲が強い自意過剰とも言える。

▼同じく、自意識過剰な口癖というのは、自分で話をしていながら、一つ話すごとに、これまたいちいち自分で「うん」とうなずく人もそうだ。

▼ 「わたし、お酒苦手なので。・・・」でいいではないか。どうして普通に話すことができないのだろうか。これは言葉の乱れの問題ではない。つくづく人格と思考回路の問題であると思う。あまりにも、本日ネタが決まらなかったので、自分の癖は棚に上げて、世間さまの不愉快な口癖を取り上げた次第。陳謝。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄


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