忍者ブログ

増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第266回・メディアの性癖

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

【閑話休題】第266回・メディアの性癖

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-04-01 15:34:00]

【閑話休題】第266回・メディアの性癖

▼以前このコラムで、「イエロージャーナリズム」のことを取り上げたことがある。あれは、百年以上前のアメリカの話だが、現在の日本でもメディアというものは、結局同じ性癖がある。なんでも、売れ筋のネタばかりを報道して、真実が自分たちでも見えていないという性癖だ。

▼かくいうわたしは、この27年間というもの、朝日筆頭にいわゆる総合新聞というものを、読んだことがない。新聞といったら日経新聞を指す。大変申し訳ないが、敢えて言わせてもらえば、総合新聞というのは、わたしの中では日刊の総合広告カタログおよびゴシップ雑誌ていどのものでしかない。

▼なにしろつまらないのだ。これが日本の知的水準をリードしているのかと思うと、正直背筋が寒くなる。それを読むなら、東スポを読んでるほうが、よっぽどその馬鹿馬鹿しさで気が紛れる。みなさんもそうだろう。日経新聞を読み慣れていると、いわゆる総合新聞をたまに開いてみて、「なんだこれは、読むところが無いじゃないか」と普通は思うはずだ。

▼消費税導入というこの一件だが、これなどは新聞やテレビによってただのネタにされているだけ、という気がする。ほんとうに、駆け込み需要があったのか。本当に反動減があるのか。正直なところ、それほど大きな動きがでているような気がしない。

▼経済指標を確認しなければ、なんとも言えないのはもちろんなだが、どうも報道にミスリードされる危険性というものを、いつも感じる。これも、わたしの癖になっているだけであり、報道が正しいのかもしれないのだが。

▼なんとなく、なのだが、ここから2-3年、もともと買うつもりもなかった住宅や自動車というものを、消費税増税に背中を押されて買ってしまった、という向きが多いのではないか、と思うのだ。もし、そうだとすると悪いことではない。最初から出てこなかったはずの消費が飛び出したということになる。これは、駆け込みによる前倒し分とはまったく性格が異なるので、増税後に反動減になる代物とは違う。

▼いわゆる反動減となるのは、こうした高い買い物ではなく、生活雑貨など日用的な消費財であろう。極端な話がトイレットペーパーのようなものは典型的なものだろうが、こうしたものはそれなりに駆け込み消費になったかもしれない。

▼わたしなどは、性格的に絶対こうした駆け込み買いをしないタチなので(煙草をのむくせに、絶対買いためしない。自分でもおかしな性格だと思う。きっと人と同じことをするのが嫌なのだ。天邪鬼といっていい。)、このような購買の行動原理がまったく理解できない。

▼いずれにしろ、メディアはなにが真実なのか、どうでもよいのだ。真実を知る権利などと看板を掲げるものの、実際にやっていることは、ジャンルを問わず、ネタ化することに終始している。

▼昨日までの、消費増税前は、ひたすら「駆け込み需要」をはやしたて、不必要にその購買意欲が旺盛だということを報道する。政府に煽られて、国民が買いだめの狂想曲に踊らされていると、過剰報道するのだ。

▼一方、本日以降、実際に増税が行われた後は、これが逆になる。テレビの映像にしろ、あるいは新聞の写真にしろ、それが理由ではないにもかかわらず、どこか閑散になっている店舗を映して、「それ見ろ、消費が反動減している」と騒ぎたて、景気の落ち込み、アベノミクスの「誤算」「慢心」といったような言葉を使って、こきおろす。

▼ことほと左様に、メディアというのは、およそ定見を持たない、軽佻浮薄の最たる業種といっていい。しかも、それが国民の声だと欺瞞に満ちたポーズをとるので、さらにタチが悪い。スポーツ新聞がそうなのは、どうでもよい。しかし、いやしくも総合新聞などと看板を掲げているところがこれでは、話にならない。

▼それでもまだ新聞は、同じ紙面の中でも、書き手によってスタンスが違ったりするから、まともな記事が無いわけではない。が、テレビになると、押しなべて「一億総白痴化」と大宅壮一がかつて吐いたテレビ批判そのものといっていい。

▼だいたい、企画につまると、8時間もののタレント総出の総合バラエティ番組、24時間もののチャリティを全面に押し出した「きれいごと」で胡麻化す。さもなければ、グルメ探索と、旅番組と相場は決まっている。つまり、映像にしやすいものばかりを、ただ羅列するだけで、映像にしにくいもの、つくりこみに創意工夫を要するような素材はオミットされているのだ。そして、本当に報道して知らしめなければならないものの多くは、実は映像にしにくいものだ。

▼いずれにしても、市場がどう反応するかが、わたしたちの最大の関心事なのだが、過去の消費税導入や増税に踏み切った際の動きをみると、例外なく増税後には株価は数ヶ月にわたって上昇している。業績や景気の反動悪化が出たにもかかわらず、である。今回もそうなったとき、メディアは株の上昇には触れずにおくのだろうか。いつものことながら、見ものである。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄




日刊チャート新聞のコンテンツは増田足のパソコン用ソフト、モバイル用アプリから閲覧可能です。

15日間無料お試しはこちらから
https://secure.masudaasi.com/landing/pre.html?mode=cs
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。