【閑話休題】
[記事配信時刻:2018-03-30 16:22:00]
【閑話休題】第515回・アメリカという壮大な実験室をつくった人たち
▼突然だが、アメリカは秘密結社「フリーメーソン」によって動かされている、といったら、またばかばかしいトンデモ本や、妄想の果ての陰謀論だと、笑うだろうか。
▼では、ほんのわずかな事実だけを、ここで紹介しておこう。アメリカ独立宣言に署名した56人中、9人がフリーメーソンのメンバーであった。
▼アメリカ合衆国憲法に署名した39人のうち、13人がフリーメーソンであった。そして、大英帝国に反乱を起こしたジョージ・ワシントン率いる革命軍の将軍33人がフリーメーソンであった。
▼独立記念館として建造されたトリニティ教会は、3人の建築家の手によるものだが、3人ともフリーメーソンである。ホワイトハウスの設計者もフリーメーソンである。
▼独立宣言後、初めて、あの有名な「自由の鐘」を鳴らした人物は、フリーメーソンのメンバーだ。
▼アメリカの象徴である「自由の女神」像は、1886年に完成したものだが、足元にある石碑に刻まれた文は、「フランスのフリーメーソンが、アメリカの独立を記念し、フリーメーソンの同胞たちに贈る」というものだ。
▼「自由の女神」の制作者は、フランス人フレデリックバルトルディだが、フリーメーソンである。歴史上、フランス政府(ブルボン王朝)が贈ったとされているが、正確ではない。フリーメーソンである。
▼ちなみに、ナポレオンの兄弟たちは、フリーメーソンだった。ナポレオン本人はフリーメーソンを支援していたものの、正規会員ではなかったようだ。フリーメーソンを政治利用しただけだったと考えられる。フランス革命そのものが、フリーメーソンが強力な推進パワーだったことは、その人権宣言の原本を見れば一目瞭然である。
▼さて、アメリカの歴代大統領のうち、はっきりフリーメーソンの会員だったことが判明しているのは、以下の通り。
初 代 ジョージ・ワシントン
第3 代 トーマス・ジェファーソン
第4 代 ジェームス・マディソン
第5 代 ジェームス・モンロー
第7 代 アンドリュー・ジャクソン
第11代 ジェームス・K・ポーク
第12代 ザチリー・テーラー
第13代 ミラード・フィルモア
第15代 ジェームス・ブキャナン
第17代 アンドリュー・ジョンソン
第20代 ジェームス・A・ガーフィールド
第25代 ウィリアム・マッキンリー
第26代 セオドア・ルーズベルト
第27代 ウィリアム・H・タフト
第29代 ウォーレン・G・ハーディング
第32代 フランクリン・D・ルーズベルト
第33代 ハリー・S・トルーマン
第36代 リンドン・B・ジョンソン
第38代 ジェラルド・R・フォード
ちなみに、ブッシュ大統領も、フリーメーソンの姉妹結社スカル&ボーンズ(海賊旗)の会員である。しかし、フリーメーソンの正規会員ではないことが判明している。
▼さらに言えば、海賊旗は、頭蓋骨と、交叉した大腿骨のデザインで知られるが、あれは海賊が荒らしまわる400年も以前に、もともとフリーメーソンのシンボルの一つだったことは意外に知られていない。
▼大航海時代、イギリスはアメリカ大陸を植民していたが、大西洋貿易を独占するために、フランス、スペイン、ポルトガル、オランダの商船団を駆逐した。そのとき、海賊に私掠船免許を与え、敵国商船の襲撃を合法的にやらせるという荒っぽい手段を行った。
▼キャプテン・キッドなどはその末期を飾る有名な海賊で、本拠地にしていた英領アメリカの東部における彼の言動は、かなり詳しく記録が残っている。誰といつ会っていたかが、ことこまかに当時の名士たちの日記や書簡から確認される。
▼当時、アメリカ東部に植民しにきていた英国人有力者たちの多くが、フリーメーソンであり、キッドは彼らをパトロンにしていたのである。
▼キッド自身は、大西洋からインド洋にかけて、荒らしまわった。しかし軍資金の調達をした形跡が無いのだ。有力な支援者たちがいたに違いないのである。とくにキッドが親交を結んでいたベラモント伯爵を通じて、フリーメーソンが資金提供をしていたことが明らかになっている。
▼結局キッドは、用済みだったのか、厄介払いなのか、そのベラモント伯爵におびき寄せられた挙句、拘束され、英国に送られる。テムズ河畔で絞首吊りとなり、全身にタールを塗られて、死体がバラバラにならないように鉄の檻に入れられ、数年間さらし者にされている。見せしめである。
▼このように、大航海時代の名だたる海賊、それも英系に属した海賊というのは、下手をするとことごとくフリーメーソンの息がかかった、非合法武力集団であったということができる。
▼これが、ただの偶然だと思うだろうか。高須クリニックの院長のようなフリーメーソン会員の例で、だまされてはいけない。結社は、大きく三階級で分断されている。最下級が「徒弟」、真ん中が「職人」、最上級が「親方」である。「親方」のトップ・クラスの集団が、実質的なフリーメーソンといっていい。
▼もっと言えば、フリーメーソンを動かしている黒幕のほうが、本丸である。ちなみに、その黒幕はイルミナティという別の秘密結社だとも言われるが、確かに、イルミナティによってフリーメーソンが乗っ取られた形跡がある。スコットランドのフリーメーソンの記録には、実際、イルミナティによる「浸食」に警鐘を鳴らした文書が残っている。
▼偶然などないのだ。世界は、必然によって動かされている。半島情勢が、どうなれば最終的に彼らの満足のいく「形」に収まるか。すべてはそれ次第だ。
▼このアメリカという、世界初の人工国家は、フリーメーソンによる壮大な実験室である。とすれば、現在のアメリカ大統領府は、一体フリーメーソンがバックアップしているのだろうか。それとも、「妙なやつを大統領につけてしまったな」と軌道修正しようとしているのであろうか。
▼恐らく、トランプ政権にはフリーメーソンのバックアップがあるのではないか、と考えられそうだ。それは彼らの悲願であるエルサレムに、仮住まいのテルアビブから、アメリカの大使館を転居させようとしているからだ。これは、トランプ政権が突然言い出したことだ。
▼ということは、トランプ大統領サイドにフリーメーソンがついているということだろうか。トランプ大統領に集中砲火を浴びせているリベラルその他の側は、むしろうるさい蠅のようなものと、彼らは考えているのだろうか。闇の中に光る『プロビデンスの目(真理を見つめる目~フリーメーソンのシンボルの一つ)』は、一体なにを見つめているのだろうか。
増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄
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