【閑話休題】

[記事配信時刻：2018-08-10 17:55:00]

【閑話休題】第533回・温暖化問題の真贋


▼結論から言えば、(専門家でもないのによく言うと自分でも思うが)、温暖化問題はCO2(二酸化炭素)増大が問題なのではない、と思っている。加速要因にはなっていると思うが、根本的な温暖化の原因ではない、と思うのだ。

▼年配の人なら誰しもが学んだことだろうが、地球というのは寒冷期に向かって進んでいるのだ、という話だった。それが、いつのころからか、いきなり温暖化に話がすり替わってしまったのだ。

▼もともと地球の寒冷化と温暖化というのは、循環しているわけで、大変有名な味蘭子ヴィッチ・サイクルと呼ばれているものがそれである。

▼その要因は、地球の歳差運動である。コマの軸のようなもので、コマを回すと、コマが回転するように、軸も回転しながら、ぐるぐると回る。いわゆるジャイロスコープ運動だ。つまり、コマの軸が傾きをどんどん変えながら、回転し続けるのだ。

(歳差運動)

▼このように地球の地軸は、もともと傾いている。南極北極は正確に南北に位置しておらず、ズレている。このズレは、地軸のズレということになる。地軸は地球が反時計回りに時点しながら、反時計回りに太陽の周囲を公転している。

▼この地軸の傾きは、時点に伴って、コマの軸のように歳差運動をしている。21.5度から24.5度の傾きを行ったり来たりしているのだ。現在は、23.5度の傾きにある。つまり、傾きが大きくなっている状態である。

▼地軸の傾きが大きいと、太陽に面している地球は、太陽からの影響が若干希薄になる。傾きが少ないと、太陽に、より直角に面していることになるので、太陽からの影響が若干増大する。

▼一枚の紙に、斜めから発熱球をかざすとの、真正面からかざすのとでは、紙の温度が違う。これと同じことだ。

▼話が複雑なのは、この地軸の歳差運動とは別に、地球の公転軌道も気温の変化に影響を与えている点だ。

▼たとえば、公転軌道には太陽に近い点(近日点)と、太陽から離れた点(遠日点)があり、地軸の傾斜変化により、太陽に近い点で地軸が太陽の方向に向いていたら夏は暑いし、冬は地軸が太陽より遠くを向くので寒くなる。

▼ほかにも要件はあるが、こうしたいくつかの要件がかさなり、地球は1－10万年のスパンで変化し、極地方の氷床の大きさが変わり、数万年ごとに氷河期や間氷期が訪れたりする、ということだ。

▼この数十万年は氷河期10万年、間氷期1万年というサイクルが繰り返されており、これが発生する原因は、ミランコヴィッチ・サイクルによる太陽放射の影響の変動である、と考えられてきたわけだ。

(氷河期10万年、間氷期1万年のサイクル)

▼それが、いきなり人為的な要因による二酸化炭素増大によるものだと、話がすり替わってしまったのはなぜなのだろうか。常識的に考えれば、いつ氷河期に向かって、寒冷化が進んでもおかしくないというのが、地球規模で繰り返されている変動なのだ。

▼わたしには、その話(温暖化)を仕掛けて、さも正義感を装い、産業界を攻撃することで、実は利益を得る集団がいるのではないか、と疑ってしまう。たかだか、ぎゅうぎゅう詰めにすれば、香港の面積に世界中すべての人間を立ち並ばせることができるほど、人間などちっぽけなものだ。このようにたかだかゴミのような存在でしかない人間が、地球を変えることなど、できようはずもない、と思うのだ。

▼温暖化は今に始まったことではない。過去の地球規模のデータを見れば明らかで、放っておいても温暖化しもするし、寒冷化もするのだ。

▼どうも、「綺麗な話」「正義感をアピールするような話」には、とんでもない偽計や作為があると思ってしまう、悲しい性格のわたしなので、温暖化の話が出たときに、頭から否定していたものだ。今も、温暖化加速要因として二酸化炭素問題を認めるが、しょせん根本原因ではないと思っている。

▼だから、同じようなスタンスから派生した、エコ運動にしろ、頭から文字通り「そうだそうだ」とは思えない自分がいるのだ。

▼エコキャップ運動など最たるものだろう。ペットボトルのキャップを集めて、貧しい国のポリオワクチンなどのお金にしよう、と言う運動だ。それをやるのに、どれだけの輸送費、ガソリン燃焼による空気汚染など、副産物としてのコストとダメージがあるか、を考えると非常に不合理であるということも多いのだ。表向き綺麗な話なだけで、全体を考えると、一体、良いことをしているのか、悪いことをしているのか、まったく話がわからなくなる。

▼それなら、最初から救済用の分まで上乗せしてペットボトル入りの商品を買えばよいではないか、という話になる。

▼ということで、非常に世の中で、さも綺麗な主義主張には、ますますアレルギーを起こしてしまう今日この頃だ。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄




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