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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第124回・異界への招待(後編)

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【閑話休題】第124回・異界への招待(後編)

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-08-28 18:00:00]

【閑話休題】第124回・異界への招待(後編)


▼もともと、霊感などとは無縁と思っていた私自身でも、“幽霊”との第一回接近遭遇以来、振り返ってみると、合計40件ほどの怪異譚があることを改めて知った。ないようで、意外にあるものだ。しかし、こまかい怪現象を挙げていったら、もうおびただしい数になってしまう。

▼たとえば、北一硝子(北海道小樽市)のオルゴールがある。ドーム型で、中に天使がいる。電源を入れれば、天使はくるくる回りながら、ディズニーのメロディーを奏でる。ところが、ある夜、電源コードもつなげておらず、電池も入っていないのに5分ほど、きらきら光を放ちながら、天使が回転したのだ。不思議と、音は出ない。私だけではない。昼日中、客人や、親戚たちも、これを何度か目撃している。こんな類いは、数えるだけでも面倒なくらい多発した。

▼さまざまな異界との関わりで、私が肝に銘じたことが一つあるとすれば、幽霊に対する恐怖でもなく、あの世の存在証明でもない。私のすること、思うこと、すべては「お見通しだ」という一事に尽きる。ある意味、人間にとって、これ以上畏怖すべきことはないだろう。

▼さてここで、読者の皆様がご存知だったり、ご記憶があれば、ぜひお知らせいただきたいことがある。昔、民放で放映された番組のことだ。それがいつの頃だったのか、自分でも正確には思い出せない。ネットの「2ちゃんねる」のようなところで探しても、ほとんど語られることがない。一件だけ、その番組について、「誰か覚えていないか、何チャンネルだったっけ」、といったような問いかけをしているのを見かけたことがある。それには、誰も返事をしていなかった。

▼おそらく中学生の頃、1970年代前半だったように思うのだが、あるテレビ番組があった。よくある「なんとかスペシャル」、といったような類だ。司会は児玉清(故人)だったように記憶しているが、その辺は曖昧である。ただ、ゲストの一人に、俳優の西村晃(故人)がいたことだけは鮮明に覚えている。あとは男性のアナウンサーがいた。

▼その番組というのは、高野山で僧侶たちが超能力を見せるというものだった。たとえば、広い部屋で真言などを唱えているうちに、重い火鉢のようなものを部屋の向こうの隅からこちらの隅、カメラマンやスタッフのいるほうへ、ずずうっと一気に異動させたりするのだ。別の僧侶は、同じく念を凝らしているうちに、火の気のないロウソクにいきなり火をつけたりする。

▼こうした験力(げんりき)をいくつかカメラはとらえていたが、きわめつけは最後に見せた空中浮遊であった。空中浮遊といっても、オウム真理教の元教祖のような、ぴょこんぴょこんと飛び跳ねるようなものではない。それ以前、一度カメラが入って記録したことがあると言っていたのを記憶している。十数年ぶりに、同じものを民放のテレビカメラが収録したのだ。

▼そして、私たち親子が見たそのテレビ映像というのは、正直腰を抜かすようなものだった。地元では、「高野山の坊主が空を飛ぶ」と言われているとしていた。高野山といっても、本山始め、多くの関連寺院や塔頭(たっちゅう=小院)があるから、そのどこかは覚えていない。ただ僧侶や寺は実名で報道されていた。奥の院の弘法大師・空海の家(死んではいないということで、墓とは呼ばないらしい)を映していたので、本山かもしれない。

▼境内の広場で、護摩を焚いて一人の僧侶が真言か経文を唱え続けている。その僧侶を扇の「要」とすると、八の字に僧侶が立ったまま囲んでいる。皆、やはり経だか真言だかを唱えている。そのうち、「要」の位置に座って護摩を焚いている僧侶の体が、ゆっくりと浮上し始めた。おそらく1メートルほどは浮いていた。しばらく静止した後に、またゆっくりと降下して、着地すると倒れ込んだ。

▼周囲の僧侶たちが担架に彼を移そうとするが、何人の男の力でも容易には動かないほど、磁石のように地面に張り付いてしまっている様子だった。ようやく倒れた僧侶を地面から引き剥がして担架に移し、それを大勢でえらい難儀をしながら(異様に重いということだった)運び去った。西村晃たちが興奮しながら、「この事実を、いったいどう理解したらいいのでしょう」と話していたのを今でも覚えている。

▼番組の最後に、かなり高位の僧侶がインタビューを受けていたが、「修行をしているうちに、たまたまこういうことが出来るようになる者がいるんですな。しかし、これができたから、だから偉いということではない」と、こともなげに語っていたのが印象的だった。

▼幽霊の類は出るのか、という質問に対して、「それらしいものはある」と言う。それで、許可を得て、「よく出る」というあるお堂の中に夜中じゅう、定点暗視カメラを設置したところ、これもかなり衝撃的な映像が映っていた。

▼夜中のある時間になると、カメラが見据えている祭壇の上部飾りが、一斉に左右に規則的に揺れ始めたのだ。それは(途中、早送りやカットで割愛していたが)、記憶では四十分とか、相当の時間続いていたと記憶している。最後はどうなったのかというと、いきなり祭壇に置かれていた三鈷杵(さんこしょ=密教の法具)のようなものが一本、お堂の広間の距離をものともせず、カメラに向かっていきなり飛んできたのである。カメラはそれによって倒れ、そのまま朝まで、映像を写し続けていた。

▼この高野山の驚くべき映像については、その後、とんと聞いたことも見たこともない。世に語られている様子もない。私の周囲で、その番組を見たという人にもお目にかかったことがない。不思議なことがあるものだ。山側が、あまり好ましくないとむしろ抑えたのであろうか。あの、天下の高野山である。高野山ともあろうもの、嘘八百であったとはまず考えられないので、未だに幻の映像として私の記憶に残っている。もし、テレビ局のアーカイブを拝見できるなら、ぜひもう一度見てみたいものだと思う。

▼「2ちゃんねる」で、「あの番組、覚えていませんか?」と問いかけた人も、おそらく同じ映像をテレビで見ていたのだろう。残念ながら私は、高野山の僧侶に知り合いはいない。どなたか、この映像についてご存知の方がいれば、ぜひ教えていただきたいのだが・・・。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄




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