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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第141回・鮫がともだち

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【閑話休題】第141回・鮫がともだち

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-09-24 18:30:00]

【閑話休題】第141回・鮫がともだち

本日の『閑話休題』です。

会員の皆様へ

日頃は「増田足ソフト」をご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日の『閑話休題』のタイトルは、「鮫がともだち」です。

★☆★☆『閑話休題』連載 2013年9月24日(火)★☆★☆

▼鮫というのは、なんとも恐ろしいイメージしかない。海で、小さな鮫に出会っても、水中ではとかく大きく見えるものだから、びっくりする。

▼世界に500種の鮫がいると言われるが、もともとエイとは起源が同じらしい。この鮫のうち、ヒトを襲うのは、20~30種ということであるから、決して多いわけではない。中生代には原型が完成したようだから、鮫は「生きた化石」とも言われる。海中での捕食と繁殖に特化したことで、4億年にわたって、ほとんど形態に変化がない。おそらくは究極の進化形態なのだろう。

▼鮫の中には、呼吸のため一定速度の水流が必要なものと、静止状態でも呼吸可能なものがいる。つまり、静止した場合、沈むのは浮き袋がない鮫の共通した特徴だが、失速して沈んでも命に別状がないものと、呼吸困難に陥って死んでしまうものとの両方が存在する。

▼人食いで有名なホオジロザメもそうした仲間らしい。右脳と左脳が別々に機能するらしく、眠らずに回遊し続けることで、水流をエラに取り込むのだそうだ。自分でエラを動かすことが不得手な鮫が多いため、まったく不眠不休で泳いでいるようなイメージが強い。

▼もう10年以上も前になるだろうか。ナショナル・ジオグラフィックの番組を見ていて、とても面白い映像に出会った。オーストラリアの水族館が、世界最大のサンゴ礁で知られるグレートバリアリーフでホオジロザメを捕獲した。それを、水槽ごと飛行艇で輸送したのだ。

▼グレートバリアリーフから水族館までは、3~4時間かかる。この間、体一つがやっと入れるくらいの水槽に閉じ込められた鮫は、呼吸が困難になってくる。泳げないからだ。仮死状態になった鮫の輸送は、急ピッチに行なわれた。

▼しかし、水族館の大きな水槽にドボンと仮死状態の鮫を落としたところ、そのままカナヅチ然とした格好で沈んでしまった。ピクリともしない。このままでは死亡する。そこで、ダイバーが一人飛び込んで、なんと鮫を抱きかかえ、円柱形の大きな水槽の中を泳ぎ始めたのだ。

▼何周かしているうちに、鮫の尾びれや胴体が少しずつ動き始めた。やがて、呼吸が戻ってきた鮫は、自分の意思で回遊を始めることができるようになった。ダイバーは水槽から出た。

▼驚くべき映像はその後だ。鮫に餌をやりながらダイバーが水槽に飛び込んでも、鮫は決して彼を襲わないのだ。餌に食らいついても、ダイバーには一切手出しをしない。一緒に泳いだり、触ったり乗っかったりしても、鮫はいっしょに遊んでいるつもりなのか、まったく攻撃対象からははずしているのだ。

▼こういう例を見ると、人食いで有名なホオジロザメでも、どうやら「敵ではない」「食い物ではない」という認識が出来たことになる。鮫というものの認識を、一変させられる映像であった。

▼昔、タヒチを舞台にした『チコと鮫』という映画が1962年に製作されて、私も子供の頃に観たことがあるが、人間と鮫の交流などあり得ないと思っていた。この映画は、タヒチの少年と子供の頃から育てた鮫の交流を描いたセミ・ドキュメンタリー映画である。しかし、オーストラリアの水族館のダイバーに限っては、どうやらこの映画のストーリーどころではない。完全な野生の成魚としての鮫と人間が交流できたのだ。このケースが偶然でなければ、これまでの認識を改めなければならないかもしれない。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄



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