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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第154回・所変われば・・・

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【閑話休題】第154回・所変われば・・・

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-10-11 18:00:00]

【閑話休題】第154回・所変われば・・・


▼この夏、大手不動産紹介サイトSUUMO(スーモ)で、いわゆる「事故物件」の広告が掲載されて、ネットでも騒然となった。関東某所のその1Kは築30年と少々古いが、約20平方メートル、バストイレあり。立地も上々、それでいて賃料がなんと2万3000円。本来の家賃は4万6000円とのことで、まさに破格。

▼もちろん、安いのには理由がある。「事故物件」だからだ。事故物件とは、自殺や殺人などの死亡事故があった土地や家屋、つまり心理的瑕疵(かし)物件のことである。しかし、そのような物件でありながら、業者によるその説明がなぜかやたら軽く、明るい。普通は、隅っこのほうに、「瑕疵有り」とか「告知有り」とか、申し訳なさそうに表示されているのが普通だが、その物件に限っては、「事故物件♪ 人気の事故物件♪ 初期費用が少額♪ TDL近い♪ バストイレ付き♪」とアピール。「♪マーク」が踊っている。

▼続きもさらに凄い。「一人暮らしなのに一人暮らしではないような感覚にさせてくれる寂しがり屋さんにオススメのお部屋です♪」。なんとも、意味深な文言の羅列。おまけに、往年の人気漫画『オバケのQ太郎』のイラストまで掲載されている。単に事故物件というだけではなく、出てはいけない“モノ”がこの部屋では出るらしい。いわば、「お化けつき」だ。ネットで検索すると、すでにこの物件の紹介自体は閉鎖されているが、まだあちこちのサイト、ブログで紹介されているので、閲覧できる。

▼この開き直ったような、半ばヤケクソ的な広告だが、こんなものが表正面に出てくるということ自体、日本の不動産や住宅を取り巻く文化そのものに、変化の胎動が感じられる。

▼イギリスでは、こういった事故物件のうち、とくに“幽霊”が出現するような不動産は、ほかの不動産に比べて、破格に評価額や家賃が高いという事実がある。もちろん、居住者に害があるようなケースの場合はこの限りではないだろうが、特段悪さをするわけでもなく、「無害」で人と共存する“幽霊”の場合は、やたらと価値が高いのだ。

▼とくに、パブやレストランなど、人が大勢集まるような飲食店の場合、この「お化けつき」というのは、大変重宝がられている。日本ではまだこうした文化は、非科学的と断定される。畏怖されると同時に、どうしても日陰扱いとなり、価値が下がる。しかし、イギリスではこの点、不動産事情がまったく逆なのだ。

▼実際、「大島てる」などというサイトは、日本全国の事故物件を軒並み地図から検索できるようにしており、事故の事情も簡単ではあるが説明されている。これなど、日本の今の社会性から考えて、よくもクレームや訴訟の対象にならないものだ、と見ているこちらがヒヤヒヤしてしまうほどだ。

▼実は日本でも、こうした一種のいわくつきの商業施設・物件は、「無害」な場合なら大層繁盛するというのが、その筋の人たち(霊感のある人たち)の間では常識となっている。関西の、とある3軒長屋に入居していた商店施設の実話だ。3店とも繁盛していたが、そこには女の“幽霊”が時折出た。ふだん、そういうものを見ない(見ることができない)人にも、目撃談がある。三軒続きの居酒屋、バー、飲食店いずれの店でも、頻繁に目撃されている。ところが、「ああ、またいるね」という感じで、だれも恐怖を覚えなかったそうだ。

▼しかし、一つの店が店舗拡大のために引っ越したあと、新たに入ってきた業者は、この“事実”に直面して仰天。慌てて寺社に頼み込み、お払い、供養をしてしまったそうだ。直後に、“幽霊”はその商店長屋から姿を消した。が、それと同時に一気に客足も遠のき、三店舗とも時を経ずして潰れたという事実がある。

▼この話は、店の上階に住んでいた人の談である。ご商売をされている方は、成功を企図して、一度は「お化けつき」物件なども探してみる価値があるかもしれない。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄




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