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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第277回・戦略の要諦

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【閑話休題】第277回・戦略の要諦

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-04-16 15:33:00]

【閑話休題】第277回・戦略の要諦

▼景気・経済や相場の分析や戦略については、日々「朝・昼の作戦」「今日のまとめ」「編集長の独白」などで開陳しているので、ここでは具体的なことに触れる必要はないだろう。

▼ふだん、そうしたコラムでなかなか触れることのない、もっと基本的、あるいは根源的な相場戦略の要諦(格言に近い)を、成功者である先達の名言を引用して、列挙してみよう。わたしなどのような相場の端っこで野次馬同然に遠吠えしている人間より、はるかに有益なことを示してくれるはずだ。

▼こういう名言を読むとき、自我を捨てることが必要だ。でなければ、意味がない。独りよがりの相場の定見は百害あって一利無しと心得たい。素直に耳を傾けたほうが、合理的だと思うがいかがだろうか。

▼たとえば、わたしなどはその点素直だ。以下に引用する名言を、かなり信仰のように思っている。デイトレの神様と呼ばれるラリー・ウィリアムズの言葉も、長期投資でいまだかつて塗り替えられたことがないという毎年連続20%以上( 8回前後と記憶)のパフォーマンスというピーター・リンチの言葉も、とても大事にしている。

▼わたしが、まず永遠に超えられない偉人たちだと思うからにほかならない。「俺はうまい、出来る」と思った瞬間に、おそらくその人は勝負にもう負けている。

所詮(しょせん)勝負ハ相討(あいうち)ニテ候(そうろう)。(柳生新陰流極意、やぎゅうしんかげりゅうごくい)

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

▼成長株理論の金字塔を打ち立てたとさえいえるウィリアム・オニールにこんな言葉がある。

「ベアが始まる確実な兆候は、元の主導銘柄がぐらつき始め、質の劣る低位株の投機的銘柄が値上がりを始めることだ。・・・最高の銘柄群がマーケットを牽引できないのに、最悪な銘柄群ができるわけがない。」

たとえば、こうした名言だが、(わたしはその通りだと思っている)これを「うのみ」にするのも問題なのだ。というのは、相場は繰り返すことが多い。オニールは、一局面を評して述べているのだ。こういう名言を読むときに、さらにこう考える必要がある。
「ならば、再び材料株跋扈の相場から、主力大型株が動けば、相場は改めて上値トライ続行に入る」ということだ。

▼どちらかというと、成長株投資に近い人が多いと思うので、まずはこのオニールから名言を並べてみよう。

●株価上昇を伴わない出来高増大に注目すべきだ。

(筆者註:つまり、その後、株価が上昇する可能性が高い。でなければ、静かに、大量に仕込みが入るわけがない。)

●含み損を抱えても、売らなければ損ではないというのは、欺瞞である。含み損を抱えた段階で、すでに損なのだ。少なくとも、勝負に負けたのだ。取得原価の呪縛から逃れよ。

(筆者註:売らないという不作為の行動が問題なのではない。一回、誤断をして含み損になっているにもかかわらず、またその信用ならない誤断「そのうちまた上がるんじゃないか」を頼み、ずるずると主体性を失っていくことを、オニールは問題にしている。)

●損失を放置するというのは、ほとんどすべての投資家が犯す深刻な間違いだ。・・・損切りを早く行うのが嫌ならば、株を買うべきではない。・・・あなたは、ブレーキの無い車で、坂道を運転するだろうか。

●最良の投資銘柄は、一般的に、一時的な相場の下落局面における値崩れが、最も小さいという典型的なパターンになる。大きく下がった銘柄は、往々にして戻りきれず、小さく下がった銘柄は、得てして調整一巡後、一番最初に新値を取りに行く。

(筆者註:だから、ポートフォリオの中身をメンテナンスするときに、かならず、パフォーマンスが悪化している含み損銘柄から、優先的に処分しなければならない。さもなければ、気がついたときに、ポートフォリオは事実上、ごみためファンド化していることになる。)

●ウォール街のアナリストたちの意見より、需給の原則のほうがはるかに重要である。

(筆者註:業績や経済指標は重要だし、みんなが見ているチャート形状も重要だ。しかし、それらはすべて、需給~マネーの循環シフトに乗るための、正当化の口実にされることのほうが多い。)

●マーケット全体が、明らかに下げ止まりを見せた後、新高値に向かって最初に飛び出す銘柄群が、たいていは本物の主導株である。

(筆者註:オニールは、Buy Low Sell High安く買って高く売る、ではなく、Buy High Sell Higher高く買ってもっと高く売るを薦める。それだけに、ロスカットや見切りの判断は非常に重要になってくる。)

●良い株とか、安全な株というものは存在しない。ある意味、すべての株は、値上がりしない限り悪い株だ。大切な資金を、あなたはなぜ、下がった株に投入するのだろうか。それは自己矛盾ではないのか。なぜ、一番良い株(上がっている株)に投入しないのだろうか。

(以下、続編へ)

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄



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