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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第278回・続 戦略の要諦

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【閑話休題】第278回・続 戦略の要諦

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-04-17 15:36:00]

【閑話休題】第278回・続 戦略の要諦

▼さて、前回のウィリアム・オニールの名言を続けよう。グロース投資(成長株投資理論)であるから、バリュー投資(割安株投資理論)とは、スタンスが違う。ただ、バリュー投資家にも、通じる極意が多々含まれているとは思う。

●価格が上昇しようが、下落しようが、出来高が減っていたら、それはなんの意味もなさない。しかし、出来高が大幅に増えていたら、その数字はまったく別の事実を伝えている。

(筆者註:出来高が増大するということは、需給比率が変化しているのだ。その株価の方向性は、逆転していく可能性があるということだ。たとえば、株価が上がっているのに、出来高が減っているということは、そのうち出来高の増大とともに、株価は大いに下落する可能性を示唆している。逆に、株価が下がっているのに、出来高が減っているということは、そのうち出来高の増大とともに、株価は大いに上昇する可能性を示唆している。)

●ベアトレンドでは、ブレイクアウト(上放れ)で買っては絶対にいけない。

●その時点でついている株価で注文は執行すべきだ。

(筆者註:日本では、昔から「株は成り行き」という格言がある。)

●株価が上がるのは、EPS(一株当たり利益)が伸びているからである。配当率のためにではない。配当率を上げると、一般的にその企業の成長が止まる予兆である。

(筆者註:これは、オニールが、ハイテクやネットなど成長株重視の理論であるため出てくる発言である。成長企業が配当をまともに出し始めるということは、それなくば株価上昇を維持できなくなるという経営サイドの思惑が働いているためだ。)

●ブルへの転換は、反発が4日続いてから(出来高増大を伴う)始まる。まず、その確認(フォロースルー)が起こる。もちあい調整である。フォロースルー無しに、ブル相場が始まることは無い。このフォロースルーは、反発局面の4日~7日目にやってくる。決定的なブル転換の日は、ベンチマーク(指標となるもの)の指数(たとえば、日経平均)が、前日とその一日平均よりも多い出来高を伴って、約1.7%以上の劇的な幅で力強く上げる日だ。

(筆者註:米国市場での話であるし、2000年前後の経験値からくるものなので、現在文字通り受け取ることはできない。また、別のところで、オニールは、「指数が2%以上の高騰が、7日から2週間くらいの間に、二回発生したら、ブル相場が始まったと考えてよい」、としている。ちなみに、上記のフォロースルーは、ブル相場につなげることができず、腰折れ(ウィップソー)になってしまうケースがあるので、注意が必要だともしている。)

●わたしは、買いから3週間以内に20-30%上昇した場合、8週間までホールドすることを旨としている。

(筆者註:オニールが、ITバブルの前後で、並み居るプロのファンドマネージャーを尻目に、7倍という圧倒的なパフォーマンスを出したのは、この「利益を引っ張る」妙技に鍵がある。8週間というのは、当時の、彼の経験値から割り出した平均的な上昇局面の期間である。もちろん、トレンドラインが維持されている限りという条件付である。ただこうしたホールドで利益幅を出来うる限り最大限まで拡大しようとするホールドスタンスというものは、往年の名プレイヤー、ピーター・リンチも似たようなことを言っている。リンチは「勝ったか負けたかという勝率はちょうど半々。しかし、ごく一部の当たった銘柄を徹底的にホールドして10倍になったことが運用成功の要因だった。」と告白している。ちなみに、ジェシー・バリモアもこのようなことを述べている。「大きな利益は、アイデアによってではなく、相場に踏みとどまることによって得られる。」これは、強い、含み益の銘柄をどれだけ買い増しでき、どれだけ長く我慢して持ち続けることができるかにかかっているということを述べている。勝率などどうでもよい。じっくりねらって、一発を大きくロ
ングでとれば、ほかのすべての敗退をカバーして余りある。)

●人はいつでも歴史から学ぶことができる。なぜなら人間というものは変わることがなく、ほとんどの人が考えるほど市場には完全に新しいものなど存在しないからだ。

(さらに、続編へ。)



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