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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第296回・エルニーニョ

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【閑話休題】第296回・エルニーニョ

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-05-16 15:21:00]

【閑話休題】第296回・エルニーニョ

▼たまには、相場の話も良いだろう。エルニーニョ現象が起こるのだそうだ。東太平洋付近の赤道域で海面水温が高くなる現象のことだ。世界的な異常気象をもたらすとされ、日本では、冷夏や暖冬になりやすいとされる。

▼冷夏観測が強まっているのだ。気象庁は10日、「エルニーニョ監視速報」を発表。「夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生する可能性が高い」とした。エルニーニョ現象は、株式市場でも、冷夏関連銘柄の注目を喚起することになるのかもしれない。

▼米不足に対する懸念から、ヤマタネ9305のような米穀卸に思惑が向かう可能性もあると言われるが、世界的にはすでに南半球では熱波の影響で、穀物市場高騰という現象も出ていた。

▼冷夏ということになると、生鮮野菜の価格が上昇する可能性が、日本の場合にはあるだろう。そうなると、日水1332、マルハニチロ1333、味の素2802、ニチレイ2871といった冷凍食品メーカーや、山崎パン2212、第一パン2215などの製パン業者も注目されるだろう。低温ということなら、日清食品2897のような即席麺メーカーも関心を集めるかもしれない。

▼こういうテーマを中心に、材料探しをすると、どんどんフィールドが広がっていく。たとえば、農業への影響を見込んだ対策ということで、住友化学4005、日産化学4021、石原産業4028、日本曹達4041、イハラケミカル4989、クミアイ化学4996、日本農薬4997などの農薬関連もマークされるはずだという。毛色は違うが、気象情報のウェザーニューズ4825も関連銘柄ということになってくる。

▼ざっと、こういったものはどこのサイトでも見られるような参考銘柄ということになるのだろう。話が広がっていくのは楽しいものだ。

▼ただ、冷夏というと、どうもイメージ的には相場は悪いという感じなのだ。(アパレルなど、ダメージを受けるのかもしれない)しかし、指数で見た場合、必ずしも、エルニーニョ現象の前後というのは、相場が悪いわけではない。

▼マニアが、戦後の日本の景気後退とエルニーニョ発生の時系列を比較したところ、50年代はエルニーニョが先行、60年代は遅行、70年代は先行、80年代は遅行、90年代は先行、2000年代は遅行という関係性を割り出した。

▼そのまま、繰り返しだとすると、2010年代は、エルニーニョが先行ということになるわけだが、今回の場合考えられる一番自然な成り行きというのは、6月からエルニーニョが発生したとして、消費増税の反動としての景気の後退局面が、昨日の日銀黒田総裁の発言通り、4-6月、7-9月と発生し、年末には復活している、というシナリオだろう。

▼ということは、世界的に金利はなかなか上がりにくいということになり、とうに割高水準に上昇している米国株式相場が、一段とゴールディロック(ぬるま湯状態)を好感して過熱化。いわゆる過剰流動性がさまざまな資産の価格押し上げる潜在力になってくる。

▼翻って、東京市場だが、米国の長期金利がどうにも上がりにくいということであれば、ドル円も、また日経平均も思ったようには上がらないということになる。これを衝き動かすとしたら、各種資産効果が波及するに及んで、商品価格が急伸してくれば、話は別だ。長期金利はいやが上にも上昇を余儀なくされるからドル高、そしてリンクする日経平均も押し上がる。

▼来年利上げを控え、足元でも好調な米国経済にもかかわらず、ヘッジファンドの中間期末を控えたポジション調整やその思惑から、極端に低下している各国長期金利は、その反動上昇になってくることは自明。それとも、われわれが思いも及ばぬとんでもないリスクが今、発生しつつあるということを、この長期金利の異常な低下が示唆しているのか。さて、いったいサイコロはどちらに転ぶか。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行雄


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