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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第307回・異説 景気循環論

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【閑話休題】第307回・異説 景気循環論

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2014-06-02 15:15:00]

【閑話休題】第307回・異説 景気循環論

▼かつて米国の経済学者ジョージ・タイラーは1920年、「女性のスカートの長さ」が景気を反映しているという説を提唱した。タイラーによれば、好景気時にはスカートの丈が短くなり、不景気時にはストッキングを購入するお金がなくなり、生足を出したがらない女性は必然的にロングスカートを選択するのだという。なんとも、とってつけたような理由だが、このスカートの丈と景気との関連性には、ほかにも諸説ある。


▼1920年代の米国経済は好調だったが、そのころからスカートの丈が短くなり始めた。その後、大恐慌が到来するとともにスカートの丈が長くなったという。1960年代、戦後の景気回復で米国人女性は再び脚を露出するようになった(ミニスカートの時代)が、1970年代になると景気は悪化し、スカートの丈も長くなった。

▼また、米国のある研究によれば、NYダウ平均株価の中長期変動指数はパリの女性のスカートの長さと密接に関連しているらしい。スカート丈が短い時にはダウ株価は上昇し、逆に長い時には株価が下落しているのだ。

▼もっともこういう類には、『予言の自己成就』という考え方があり、みんなが『そうらしい』と信じることで、その通りになるという社会学が存在する。

▼似たようなことで、日本でよく言われる話だが、女性の眉毛が太いか短いかで、景気の好不況がわかるという。80年代後半バブル時代は、確かに女性の眉は、実に太かった。が、90年代のデフレ不況の間というもの、おどろくほど長きにわたり女性の眉は細く細くなっていき、直近ではなにもなくなり、眉を描だけ、という状況になっていた。

▼ここ1年くらいだろうか、どうもこれには変化が出ている。わたしが気がつくくらいだから、そうなのだろうと思うが、なんとなく太くなり始めている。あるいは、「薄太」というのであろうか、濃くはないのだが、明らかにかつての線のような眉とは違い、明確な太さの女性が増えているようだ。これは、景気回復の先取り現象なのであろうか。もちろんここで言う景気は、その合わせ鏡に株式相場があるわけだ。

▼こういった昔から言われてきたちまたの景気指標だが、あまり言われないものもある。が、個人的にはこれなどは景気を測る俗説としての指標になりうるのではないか、と思っているものがある。それが、スポーツカーの人気・不人気だ。

▼そもそも、この長いデフレの期間、ほぼ一貫して若年層の間で拡大していた傾向とは、「車離れ」である。これがいいことか悪いことかというのではなく、明らかに車というものへの興味が失せてきたこの20年というもの、日本人はひたすら、実用車( 4WDや軽量級の自動車、ワンボックスワゴンなど)に興味は傾斜していった経緯がある。

▼スポーツカーは、メーカーからしてみれば、フラッグシップの意味合いすらなくなってきたくらいだ。そもそも、若年層で、自動車の免許を取る意欲が強烈に失せているという。

▼猫も杓子も自動車を購入したがるという時代は、とうの昔になってしまったわけだが、これももしかすると今後変わってくるかもしれない。ちなみに、こうした俗説的な景気循環論については、効率性市場仮説の創始者の一人、バートン・マルキールらの、「ウォール街のランダム・ウォーカー(日本経済新聞社)」に、一章を使って紹介されている。一冊が、百科事典並の厚さだが、最初から最後まで、一気に読める面白い本である。もっともわたしは、このランダム理論には否定的なのだが。読み物としては、かなりおすすめできる。

増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
松川行


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