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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第53回・影の政府〜米国連銀

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【閑話休題】第53回・影の政府〜米国連銀

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-05-20 17:30:00]

【閑話休題】第53回・影の政府~米国連銀


▼かつて、ユースタス・マリンズという男が、米国連銀のことを徹底的に調べ上げ、1952年にいわゆる暴露本を発行した。『民間が所有する中央銀行』という本だが、大変なベストセラーになった。この本は、しかし、出版の段階で15の出版社が発行を断った経緯がある。あまりにも危険だ、というのだ。それで本人は、自腹で出版に踏み切った。謎多き米国連銀については、その実態を解説した本といったら、実はこの一冊しか存在しないといっても良い。

▼米国連邦準備制度。連邦準備銀行のことで、日本ではFRB(Federal Reserve Bank)ということが多いが、米国ではふつう「FED」と呼び習わしている。いわゆる米国の中央銀行なのだが、影の政府と呼ばれるほど、実質的には米国と世界金融・経済を動かしている集団である。

▼株式投資でも経済分析でも、ポイントはこの連銀が何を考え、何をしようとしているかが、唯一にして最良の方法だといわれる。たとえば、雇用統計がどうだろうと企業業績がどうだろうと、連銀が景気の見通しをこうだ、と言ったら、事実はその通りに動いていく。経済指標の数値をいくら並べて立てて理屈を並べても、結局、連銀が思うとおりに事態は進行していくのだ。

▼中央銀行などといっても、日本銀行と同じだと思ってはいけない。まったくのところ似て非なるものだ。日本銀行は、60%の株式を財務省に握られている。だから、事実上公的機関だと言っていい。独立性がよく話題になるが、そんなものありはしない。

▼しかし米国連銀は、米国の政府も個人も、誰も連銀の株式を持っていない。完全な民間銀行の集合体なのだ。最大のNY連銀を筆頭に、全国12行の地区連銀と称する民間銀行のシンジケートである。その意味では、完全に独立性が保たれている。そのトップに、今はバーナンキという議長が君臨している。

▼驚くべきことがある。米国のドルという通貨は、財務省に発行権がある。当然のことだ。ところが、発行されたドルは、財務省のものではない。その所有権は自動的に連銀に属する。しかも、その発行の判断と指示は、連銀から財務省に出されるから、言ってみれば財務省はただ、「刷っている」だけの存在にすぎない。事実上、連銀がドルを発行し、所有しているのとなんら変わらない。こうしてみると、大統領さえただのメッセンジャーボーイにしか思えない。

▼しかも、連銀は、そうやって「無」から「有」を得るようにして握ったドルを使い、財務省が発行する米国国債を購入する。それを売りさばくわけだ。米国民の1人として、米国連銀の株式を保有していないにもかかわらず、またたかが民間銀行の集まりにすぎないにもかかわらず、国民は連邦準備税を取られている。しかも、ずいぶん以前のことだが、その税金が、あろうことか米国連銀の株主たちに、「配当」として還元されていた事実が発覚し、大問題になったことがある。

▼問題はこの株主だ。正直なところ、連銀の株主は実は明らかにされていない。マリンズの調べでは、1人を除いてすべてユダヤ人だということになっている。現在、少なくともJPモルガン・チェースとシティ・バンクなどだけでも、50%の株式を所有しているとみられる。JPモルガンは言うに及ばず、シティもシード・アンド・カンパニーが87%の株式を握っている。このシード・アンド・カンパニーこそ、実態はロックフェラー系ともロスチャイルド系とも言われ、いずれにせよユダヤ系資本が連銀の大株主であることは間違いなさそうだ。マリンズの本では、筆頭株主はロスチャイルドということになっている。

▼ちなみに、このシード・アンド・カンパニーは、ヒューレット・パッカード、GE(ジェネラル・エレクトリック)など名だたる企業の大株主でもある。ところが、同社の住所はNYのボーリンググリーン駅(地下鉄)の私書箱となっており、あきらかに架空会社だ。何やら、深い深い闇が見えてこないだろうか。

▼この連銀は、世界中の中央銀行の株主でもある。連銀が株を持っていない中央銀行はスーダン、北朝鮮、キューバなど、わずか数カ国しかない。こうしてみると、米国がことさらイスラエルに肩入れするのも分かるような気がしてくる。

▼投資の世界では、「連銀に逆らうな」というのが鉄則となっている。金融機関や多くのアナリスト、エコノミストなどの専門家が、いくら経済指標をいじくって景気が良いの悪いのと口から泡を飛ばしたところで、連銀の見通しにはかなわない。連銀はエリート中のエリートを多数集め、誰よりも早く経済データを知ることができ、しかも、それに手を入れることすらできるのだ。このようなポジションに位置し、最大の権力を握っている米国連銀が下す景気の判断と見通し以上のものを、一体ほかの誰に出来るだろうか。しょせん、われわれはアウトサイダーでしかない。

▼投資という冷徹なゲームで勝ちたいのなら、すべてに優先して、この連銀(とくに議長)が何を述べ、どう景気を判断していて、何をしようとしているかを知る必要がある。毎回FOMC(連邦公開市場委員会)の後、バーナンキ議長が記者会見で詳細解説をする。日経新聞でもその和訳が掲載される。必読と、その読解をおすすめしたい。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄



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