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増田経済研究所『閑話休題』バックナンバー

【閑話休題】第76回・科学的な世界

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【閑話休題】第76回・科学的な世界

【日刊チャート新聞記事紹介】

[記事配信時刻:2013-06-20 18:30:00]

【閑話休題】第76回・科学的な世界


▼私は、典型的な文系の人間で、およそ理系のセンスというものがない。おそらく、数学や物理、化学、生物といった理系の科目を教えてくれた先生たちが悪いのだろう。生徒が面白い、と思えるような教え方をしてくれなかったのだ。教師というのは、その技術的な観点で言えば、芸人のような持ち味を出してくれなければ困る。と、理系がまったく不得手だった責任をすべて、取りあえず教師に押しつけておこう。

▼ところが実際、大人になってから、なんと理系の世界は面白いのだろう、とつくづく思うことが多いのだ。人間、面白ければ、知ろうとする。分野は問わない。私のように出来が悪くても、学校で理系の面白さに気づいていれば、何とかついていけたはずだ。

▼人間の体重のうち100グラムは、なんと細菌の重さだそうだ。人によっては1キログラムにも及ぶという。そんな驚くような事実を知ると、いったい細菌とはなんだという話になって、興味がわくままにどんどん深入りしていく。理系の先生たちが、そのような「つかみ」をもっと工夫してくれていれば、いかに私でも多少はモノになったのではないか。

▼科学的な発想というのも、文系の人間には驚異的に感じる。およそ考えられないような概念で、モノをとらえるからだ。たとえば、最近知ったのだが、ガラスは「液体」なんだそうだ。何を馬鹿なと思ったが、「非晶体」とか言うらしい。詳しいことは分からないのだが、粘性が高いドロドロの液体が、とりわけ極まったものだと思えばいいらしい。「ほう!」と思ってしまう。まったく別の新しい世界観が、そこに広がっていくような気すらしてくる。

▼さらに、実験の段階にまで進むと、そのような驚きは快感に変わってくる。たとえば、そのガラスだが、ハサミで切れると思うだろうか。当然、切れるわけがないと思う。切ろうとすれば、恐らく割れてしまうだろう。実際、やってみると割れた。空中でやると、チョキチョキと切るときに高周波が出る。それでガラスにヒビが入り、割れてしまう。ところが、水中でその作業をやると高周波が抑えられ、ガラスが紙のように切れてしまうのだという。そこで、洗面器に水をため、その中に割れたガラスを入れてハサミで切ってみた。これがびっくり仰天。ガラスが切れたのである。これは奇蹟だ。

▼確かに、この科学的アプローチというものは、概念的にちょっと分かりにくいものもある。たとえば、電車に乗っている人は、電車に乗らないで立ち止まっている人に比べて、ほんの少しだが、未来にタイムスリップしているそうだ。これも面白い。とても興味深いことなのだが、なぜそうなのか、理解することはできない。確か特殊相対性理論とやらが絡んでいるらしいのだが、一度説明してもらったところ、チンプンカンプンであった。ただ、そうした「つかみ」が、私のような理系アレルギー患者にとっては一番大事なイントロになる。

▼だいたい、理系の人間は文系の人間に対して不親切だ。自分たちはよく分かっているから、それが当たり前なのだろうが、憤懣(ふんまん)に耐えないものがある。中でもひどいのは電気製品の解説書だ。これは、まず間違いなく理系の人間が書いている。とにかく、なんだかよく分からない。特にトラブルシューティング(問題解決集)など最たるものだ。パソコンなどの場合は、外国語を読んでいるような気にすらなる。お願いします、世の理系の方。文系の人間にできるだけ優しくして下さい。

増田経済研究所
「日刊チャート新聞」編集長 松川行雄


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